| 不妊治療を理解するためには、まず妊娠の仕組みから始めねばなりません。妊娠が成立するためには実にさまざまなステップがあり、それぞれに乗り越えるべき以下のようなハードルがあります。 |
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卵子は卵胞という袋に包まれていて、卵巣の中に原始卵胞として多数存在します。これが脳下垂体という組織から分泌されるホルモンの刺激をうけて発育し排卵するわけです。このホルモンにはFSH(卵胞を発育させるホルモン・・・卵胞刺激ホルモン)とLH(排卵を起こさせ黄体ホルモンの分泌を促すホルモン・・・黄体化ホルモン)の2種類があります。 |
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排卵し、卵巣を飛び出した卵子は、卵管の先端にある卵管采という部分に取り込まれ卵管内に入ります。これを卵管のpick
up(ピックアップ)現象と呼んでいます。 |
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一般に正常な精液とは、一回の射精量が2ml以上で1ml中の精液中に2000万匹以上の精子が存在し、かつ運動している精子が50%以上、正常な形態をした精子が30%以上存在する場合をいいます。(WHOの基準) |
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精子が腟内から子宮を通り、卵管膨大部(受精する場所)まで輸送される |
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子宮の入口は通常、雑菌の進入を防ぐため粘稠な頸管粘液によって蓋をされていますが、排卵期には精子の進入を容易にするために濃度が薄く透明になり多量に分泌されます。精子が子宮に到達すると子宮内から卵管に進入し卵管内の微細な繊毛によって受精がおこる卵管膨大部にまで運ばれます。 |
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卵子、精子の受精能と受精の為の適切な環境により受精が成立する |
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射精された直後の精子には受精能がありません。子宮、卵管を通って行くうちに受精能を獲得し、卵子の透明帯をたった一匹の精子が進入する事によって正常な受精が成立します。 |
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受精卵が卵管内を子宮に向かって移動し子宮内膜に着床する |
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うまく受精が起こった場合、卵管内で卵子が分割を繰り返しながら4〜5日かけて卵管内を子宮に向かって輸送されます。そして、子宮内膜が黄体ホルモンの刺激をうけて分泌期内膜となり着床が起こります。また、このホルモンには基礎体温を上昇させたり、妊娠を維持させたり流産を防ぐ働きもあります。 |
| このように一口に妊娠といっても様々なプロセスがあり、このうちの一つでも問題があれば妊娠まで到達しません。妊娠が成立しないカップルにはこの過程のどこかに問題があると考えられます。さらに実際には何も問題のないカップルでも一周期あたりの妊娠率は20%前後ぐらいなのです。いくらタイミングを合わせてみても妊娠とは実はそんなに簡単におこるものではありません。不妊症と診断をつけるのにある程度の時間が必要なのも、また不妊治療そのものが長期にわたることが多いのも、実はこのあたりに要因があります。 |