日産婦のPGT-Aパイロット研究でEuploid胚でも30%は妊娠成立しないことが明らかになりました。そのためARTにおいて反復着床不全(RIF:良好胚を3回以上移植しても妊娠に至らない)症例に対する検査や治療方法が注目されています。
PRP(Platelet-Rich
plasma:多血小板血症)とは基準以上の血小板をもつ自家血症のことで再生医療として近年注目されており、血小板から放出される成長因子を専用の医療機器を使用して効率的に濃縮・組成し標的部位へ注入することにより、本来自分が持っている細胞の再生能力を局所的に最大化する治療法です。(近年ではメジャーリーガーの大谷翔平選手が行ったことで有名です。)
本治療法は再生医療安全確保法(再生医療などの安全性の確保などに関する法律)に基づき、再生医療等提供計画の届出後、厚生労働省に受理された治療となるため、認可申請手続きを行い、認可後は毎年報告を行う必要があり、その利用には制約もあります。
どちらも患者様自身の血液を用いるため、アレルギー反応や副作用リスクが低く安心です。またPFC-FD療法はPRP療法よりも利便性が高く、かつ、同等の効果が期待できることから、今後の症例の蓄積、および治療成績の検討が期待されています。PFC-FDにはPRPと比べて約2倍の成長因子が含まれており、半年間の保管ができるためART治療に併用しやすいという利点もあります。2021.7月第39回日本受精着床学会において空の森クリニックからPFC-FD療法の有用性についての発表があり、子宮動脈血流の改善と内膜増殖作用があることが報告されました。
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