タイミング指導

超音波検査で卵巣内の卵胞の発育と子宮内膜の厚さを確認して、およその排卵日を特定します。このような簡単な治療で、妊娠に繋がる方も少なくありません。基礎体温表や尿中LHという排卵を促すホルモンを検査することもあります。
また、排卵を確実におこすためにHCGという注射をしたり、排卵後は黄体ホルモンを補充するためにお薬を内服していただきます。

タイミングを合わせるといいますと、多くの方は排卵日ぴったりに夫婦生活を持たないと妊娠しないと思われていますが、そうではありません。精子にも卵子にも寿命があり受精可能期間というものがあります。卵子は比較的寿命が短く排卵後24時間前後で受精能を失うと考えられていますが、精子はずっと寿命が長く最低でも卵管内で3日間は生存しています。そのため、排卵日を中心にして排卵前3日間と排卵後1日間の5日間は十分妊娠可能期間とお考えください。また性交渉の回数が多い方が妊娠率も高いとの報告もあり、夫婦生活をもたれる日数や回数を特に制限される必要もありません。基礎体温と実際のエコー上の所見がずれることも多く、基礎体温は参考程度にお考えください。
あまりピンポイントで考えると、性交渉の回数が少なくなったり、お互いに過大なプレッシャーを感じることもあり、かえってうまくタイミングをあわせることができなくなるご夫婦もあります。また、ぴったりタイミングが合っていても一周期あたりの妊娠率は10%もありませんので、少し肩の力を抜いて何度かチャレンジすることが大事です。