フローラとはギリシャ神話の花と春と豊穣を司る女神の名前です。そこから花が固まって咲いている様子を表す言葉として使われます。 もともとは腸内の細菌叢の代名詞でしたが、近年無菌と考えられていた子宮内にも細菌叢(子宮内フローラ)があることが分かり研究が活発になっています。近年、腸内や子宮内に定着している細菌を増殖させ活性化するオリゴ糖、食物繊維、ラクトフェリンなどが注目されておりラクトバチルス(Lactobacillusとは乳酸を分泌するいわゆる善玉菌です)の発育を抑制しない特性があることが多数報告されています。
子宮内膜のラクトバチルスが90%以上の女性の場合とそうでない場合とを比較したところ、着床率、妊娠率、出産率全てにおいて高い割合となりました。
早産を繰り返す難治性細菌性膣炎の女性6名に対しラクトフェリンを投与(経口のみ、あるいは経口+経膣)したところラクトバチルスの増加がすべての対象者に認められ、6名中5名が妊娠継続に至り、すべて35週以降の出産となりました。
子宮内フローラ検査を行い、ラクトバチルスの割合が90%以下だった女性に対し、抗生物質、乳酸菌、ラクトフェリンの投与を様々に組み合わせて行ったところ、35%でラクトバチルスが90%以上になった。またラクトバチルス80%以上の群とそれ未満の群の妊娠率はそれぞれ61%と40%であり、有意差が認められました。 EMMA検査 (Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)(子宮内膜マイクロバイオゾーム検査)を行いラクトバチルスが90%以上あるかどうかを調べることが可能です。
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