医療法人授幸会 久永婦人科クリニック
 
           
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受精卵異常

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そもそも受精卵には一定の確率で染色体異常が認められます。また加齢によりその確率は高くなることが分かっています。

受精卵に異常があれば、いくら環境を整えても着床に至らないことになりますが、残念ながら、現時点では確実に検査する手段はありません。

異数体の出現頻度

年齢別染色体異常胚の割合

最近注目されているのが受精卵の着床前検査(PGT-A:Preimplantation genetic testing for aneuploidy)です。これは胚盤胞まで成長した受精卵の外側の部分(栄養外胚葉)の一部を取り出しNGS(次世代シーケンサー)により遺伝子解析することで受精卵の染色体の異数性(染色体の過不足)の有無を確認します。

PGT-Aは流産率を減少させることには有用とされていますが、移植可能胚が得られない可能性や、一定期間に子供を持つ確率を上昇させることができるかは証明されておらず、また、高額な費用負担、診断が100%正確でないこと、胚生検によるダメージ、モザイク胚の取扱いの問題、胚の自己修復の可能性、等の点で未だ不明な点が多く、また海外(英国、米国、カナダ、欧州)でもエビデンス不足のため、全ての不妊患者さんや反復流産患者さんに対して推奨されているわけではありません。
このため現時点(2022年3月時点)では学会主導で (1) 反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦、(2) 反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦に対して臨床検査としての有用性が引き続き検討されています。

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