医療法人授幸会 久永婦人科クリニック
 
           
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凍結保存

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受精卵および卵⼦(未受精卵)の凍結保存・融解胚移植

(1)採卵直前のホルモン検査で P4(⻩体ホルモン)値が⾼値を⽰し早期⻩体化と判断された場合、
(2)卵巣が著しく腫⼤した場合(卵巣過剰刺激症候群:OHSS)、
(3)良好な受精卵が多く確認され胚移植後に余剰胚が出来た場合、
(4)⼦宮内膜が薄く着床に適さないと判断された場合、
には、受精卵を凍結保存いたします。

卵⼦(未受精卵)の凍結は採卵後やむを得ない事情により媒精・顕微授精が実施出来ない場合に⾏います。(採卵⽇にご主⼈が採精することが出来ない場合、採取された精⼦が不良であり凍結精⼦がない場合、ご主⼈がアクシデントにより来院出来ない場合など)

この場合 4〜8 分割あるいは胚盤胞の時点で凍結保護材を⽤いて液体窒素にて凍結保存いたします。理論上半永久的に保存が可能です。ただし、いずれもグレードの良好な場合にのみおこなっております。
凍結胚は融解後、培養してから胚移植いたします。また、凍結・融解という処理の際に胚がダメージをうけることがあり融解胚のすべてが良好な状態で分割が進むとは限りません。最終的な胚の状態をみて胚移植を⾏います。
融解胚移植においては⾃然周期やクロミッド周期にて排卵を確認してから融解を始める場合と、卵胞ホルモン製剤と⻩体ホルモン製剤によるホルモン補充周期にて⼦宮内膜を調節して融解胚移植を⾏う場合があります。

当院では受精卵の凍結はガラス化法(vitrification)を⽤いております。ガラス化とは『液体が結晶化することなく粘液性が⾼まり固化すること』を表す⽤語でガラス化法はサンプルを直接液体窒素で冷却することによって保存液ごとガラス化させて凍結保存する⽅法です。ガラス化凍結したサンプル内は保存液中の⽔分が凍る(この現象を氷晶といいます)ことがなく透明です。
細胞外に氷晶がないと細胞内にも氷晶は⽣じにくく、細胞内の氷晶形成は細胞が凍結時に障害を受ける最⼤の要因であるため、ガラス化法では⾼い⽣存率が期待できます。ガラス化では細胞外氷晶に由来する障害はなく、また透明帯や細胞質に⻲裂が⽣じるフラクチャー障害の頻度が極めて少ないというメリットがあります。そのため、細胞が⼤きく、中に⽔を満たした胚の凍結にはガラス化法が適しています。凍結された受精卵は液体窒素タンク内において厳重に管理、保管されます。凍結保存後に融解したときの受精卵の⽣存率は約 95%です。我が国においては凍結受精卵融解胚移植のほうが新鮮胚移植より治療周期数が多くなっております。⽇本産科婦⼈科学会の 2014 年度の統計結果では、新鮮胚移植の先天異常率(先天異常/⽣産+死産+⼈⼯流産)は全体で 2.4%です。凍結胚と新鮮胚を⽤いた胚移植周期に明確な差を認めませんでした。
多胎妊娠を避けるために移植する受精卵の数を⽇本産科婦⼈科学会の多胎妊娠防⽌に関する⾒解に従って、原則 1 個としております。
ただし、年齢、治療回数を考慮しながら 2 個までの移植をすることも可能としております。なお、この⽇本産科婦⼈科学会のホームページの『倫理に関する会告・⽣殖補助医療における多胎妊娠防⽌に関する⾒解』は誰でもご覧になることができますので参考になさってください。

凍結保存

凍結融解胚の移植

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