医療法人授幸会 久永婦人科クリニック
 
           
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G-CSF子宮内注入

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G-CSFとは顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony stimulating factor)という、血管内皮・マクロファージ及びその他の免疫細胞から分泌されるサイトカインと言われる糖タンパクの一種です。

顆粒球産出の促進、好中球の機能を高める作用があり、国内外で承認を受けた薬剤でガン治療における好中球減少症などに用いられています。

胚移植の際に受精卵の着床における子宮内膜の厚さは7mm以上必要という目安が国際的にもコンセンサスが得られています。ホルモン補充周期での融解胚移植に際しては子宮内膜を厚くするためにエストロゲン製剤を使用しますが、この厚さに届かない症例に胚移植の2~9日前にG-CSF製剤を1~2回子宮内に投与することによって子宮内膜の厚さが改善し、妊娠率が向上したという報告が米国生殖医学雑誌に掲載されました。
Gleicher N et al., Fertility and Sterility 2011; 95: 2123.e13-e17

また胚移植周期にG-CSFの子宮内注入を行った11論文683人を対象にしたメタアナリシスでは
・子宮内膜の厚さが1.79倍に改善
・臨床妊娠率が2.52倍に改善
・着床率が2.35倍に改善
・移植のキャンセル率が0.38倍に改善したとの報告もあります。

どのような機序で効果が現れるかについてはまだ明確ではありませんが、G-CSFは血中半減期が5-6時間と分解・代謝が早いため、投与数日後に移植する胚への影響はないと考えられています。

適応としては、胚移植時に子宮内膜が7mmに到達せず、胚移植が延期となった方や、反復着床不全の方となります。

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