医療法人授幸会 久永婦人科クリニック
 
           
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SEET法・2段階移植法

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自然妊娠では、排卵された卵子は卵管采によって卵管の中にとりこまれて精子と出会い受精します。そして、受精卵は5-6日ほどかけて胚盤胞という形に成長をしながら卵管内を卵管膨大部(受精が起こる場所)から子宮に向かって移動して行き、子宮内膜に着床します。

このとき、受精卵自身も受精したての状態から着床のできる胚盤胞という状態まで成長していかなければなりませんが、子宮の方も受精卵を受け入れられるよう環境を整え準備をしておかなければなりません。そして、受精卵が受精してから胚盤胞まで育つまでの間、受精卵と子宮はシグナルのやりとりをしており、そのシグナルが子宮に受精卵を受け入れる準備を促します。
SEET法・2段階胚移植法は、そのシグナルを子宮に届けて子宮環境を整えた上で、胚盤胞という着床のできる状態まで成長した受精卵を移植する方法です。胚移植の妊娠率は初期胚移植に比べ胚盤胞移植の方が高いですが、ただ胚盤胞を移植するだけでは受精卵が成長過程で放出するシグナルはありません。そこで、SEET法は受精卵の培養に使用した培養液を、2段階胚移植法は初期胚を、胚盤胞を移植する数日前に移植して子宮に着床の準備を促すシグナルを届けておくことで妊娠率の向上が期待できます。

 

■SEET(Stimulation of Endometrium-Embryo Transfer)法

SEET法とは、子宮内膜刺激胚移植法と呼ばれる方法で胚盤胞を移植する数日前に胚盤胞までの培養に使用した培養液を子宮内に移植しておく方法です。胚盤胞までの培養に使用した培養液には、受精卵が初期胚から胚盤胞まで育つ中で放出した子宮に着床の準備を促す伝達物質(シグナル)が含まれています。この物質を先に移植しておくことによって子宮の環境を着床に適した状態へと促します。

移植する受精卵は胚盤胞のみなので2段階胚移植法に比べて多胎の心配が少ないです。また、採卵できた受精卵の数が少ない場合でもすべてを胚盤胞まで培養することができます。

凍結胚移植での移植になります。またSEET法で使用する培養液は採卵1回につき1回分のみ回収可能です。

 

■2段階胚移植(2 Step-Embryo Transfer)法

2段階胚移植法は、初期胚(受精後2-3日の分割期の胚)と胚盤胞(受精後5-6日の成長した胚)を2個移植する方法です。まず初期胚を移植し、その数日後に胚盤胞を移植します。先に移植した初期胚が卵管内で成長しながら子宮に着床の準備を促すシグナルのやりとりをし、子宮の環境が整ったところに胚盤胞を移植します。

新鮮胚移植の場合には初期胚を先に1個移植して、残りを培養継続することになります。残りの受精卵が全て胚盤胞まで育たない場合でも、初期胚を先に移植しておくため移植そのものがキャンセルになることはありません。 凍結胚で行う場合には先に初期胚を1〜2個凍結しておき、残りの受精卵が胚盤胞まで到達した時点で凍結し、周期をまたいで移植を行うことになります。凍結初期胚・胚盤胞は1年毎の保存延長をして頂ければ、保存期間の制限はありません。 

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